春慶塗り平棗 兼中斎箱 近左作 
 鶯能こゑを登ヾ免て前山の      
      くもより於こ類い可徒ち農音
歌人・書家 尾上柴舟の鶯の歌が、棗の側面に見られます。木目が美しく、その上に整った変体仮名文字が優しく散らされています。木目を生かし•愛するところは、特に日本人らしいと思います。春慶塗は飛騨高山が有名なのですが、これは京都の川端近左作です。春慶塗もちょっと調べてみました。

追記: 今回、上記の茶器を私の思い違いから取り上げることになりました。鶯ではなくホトトギス(漢字は時鳥・杜鵑ほか複数)の茶器と思いこんでいたのです。じつは長い間私の中で「ホトトギス論争」というのがありまして、今でも明快な答えに行きついていないのです、、。その論争というのは「杜鵑一声」の掛軸をいつ使うのが相応しいのか、という問題です❗️夏告げ鳥とも言われるホトトギスのピーッという鳴き声を、今年初めて聞く喜びを表したお軸で、以前ある先生から、初風炉にぴったりと教えていただいた記憶があります。一方関西の友人達に尋ねると、ホトトギスのお軸は5月中旬以降、6月になってから、、とバラバラの返事。ホトトギスは渡り鳥ですから、関西が九州より遅いのは納得なのですが、ついでに京都のある道具屋に尋ねてみると、4月下旬との返事、、⁉︎ これも結局は、地域や亭主の考えによるのかなぁ、ととりあえずは考えています‼︎ KM